
お金を貯めることは大切です。
将来困らないように、子どもの教育費を準備する。老後の生活に備えて、少しずつ貯金をする。車の買い替えや住宅の修繕など、これから必要になるお金も考えておく。
私もずっと、そんなふうにお金を貯めてきました。
毎月の給料から少しずつ貯金をして、ボーナスが入れば先の支出に備える。投資も始め、将来のために資産を増やそうと考えてきました。
そして、いつかは資産3,000万円を超えて、憧れていたアッパーマス層になりたい。そんな目標も頭の中にありました。
ところが、3年ほど前に家計と老後資金を試算していたとき、あることに気づきました。
それは、これまで一生懸命貯めてきたお金の多くが、将来使う予定のお金だったということです。
教育費を準備してきたつもりだったけれど
子どもが成長するにつれて、教育費は大きくなっていきます。
進学にかかる費用、毎月の学費、塾代、通学に必要なお金。
子どもの進路を狭めたくないという思いもあり、必要になるお金はできるだけ準備しておきたいと考えていました。
もちろん、自分たちの老後資金も必要です。
教育費だけにお金を使ってしまうわけにはいきません。老後の生活を考え、そちらにも少しずつ貯金をしてきました。
当時の私は、教育費も準備しているし、老後資金も貯めている。投資も続けている。これなら少しずつ資産が積み上がっていくはずだと思っていました。
ところが、実際に数字を並べて試算してみると、思っていたようにはいきませんでした。
教育費として準備してきたお金は、これからの進学や学費で使っていくことになります。
つまり、貯金してきた金額がそのまま資産として残るわけではなかったのです。
そこで初めて、私はお金の貯め方について考えるようになりました。
貯める目的がすべて「いつか使うお金」になっていた
振り返ってみると、私が貯めてきたお金には、それぞれ使う目的がありました。
教育費のために貯める。
車を買い替えるために貯める。
住宅の修繕費のために貯める。
老後の生活のために貯める。
どれも必要なお金ですし、準備してきたことが間違いだったとは思っていません。
ただ、ここで気づいたことがありました。
それは、貯める目的がすべて「いつか使うお金」になっていたことです。
目標を決めて、その金額まで貯める。そして必要な時期が来たら使う。また次の目標に向かって貯め始める。
この繰り返しでは、頑張って貯金をしても、なかなか資産全体が増えていかないように感じました。
お金を貯めることと、お金を残すことは、同じようで違います。
必要な支出に備えることは大切ですが、それだけでは将来に向けて育てていく資産が十分に残らないのではないか。
3年前の私は、そんなことを考え始めました。
お金の役割を分けて考えるようになった
そこから、少しずつお金の役割を意識するようになりました。
教育費は、子どもの将来のために使うお金。
生活費や住宅修繕費は、今の暮らしを守るためのお金。
そして、長い時間をかけて育てていく投資資産は、できるだけ簡単には取り崩さないお金。
もちろん、投資には値下がりするリスクがあります。必要になれば売却することもありますし、何があっても絶対に使わないという意味ではありません。
ただ、教育費や車の購入費など、近い将来に使う予定のお金と、長期で育てる資産を同じ感覚で考えないようにしました。
投資信託は長期保有を基本にする。個別株は配当や株主優待を楽しみながら保有する。必要な支出に備えるお金は別に確保する。
そんなふうに、自分なりのお金の置き場所を考えるようになりました。
資産を増やすことだけが目的ではない
資産形成を続けていると、どうしても数字が気になります。
先月より増えたか。去年より増えたか。目標に近づいているか。
私も資産が思うように増えないと、焦ることがあります。
特に教育費が大きくなる時期は、投資信託への積立額を増やすことも簡単ではありません。
それでも、教育費を出しながら、家計を管理し、少しずつ投資を続けてきました。
今では、資産3,000万円という一つの節目にも到達しました。
けれど、資産が増えたからといって、すべてが安心に変わったわけではありません。住宅ローンもありますし、これから必要になるお金もあります。
だからこそ、単純に資産額だけを見るのではなく、何のためのお金なのかを考えるようになりました。
お金は貯めることが目的ではありません。
子どもの教育に使うことも、家族で旅行をすることも、自分の楽しみのために使うことも大切です。
一方で、将来の自分たちを支えるために、残して育てていくお金も必要です。
その両方があって、初めて自分たちらしい資産形成になるのだと思います。
お金を貯める人生から、お金を育てる人生へ
3年前に試算をしたとき、教育費として準備したお金を使い切ることに気づきました。
最初は、これからどうすればいいのだろうと考えました。
でも、今振り返ると、あのとき気づけてよかったと思っています。
貯金をしているから安心。投資をしているから大丈夫。そう単純なものではありませんでした。
何のために貯めるのか。そして、どのお金を使い、どのお金を残していくのか。
その違いを意識するようになったことは、私にとって大きな転機でした。
これからも教育費は必要ですし、家のことや車のことなど、予定している支出もあります。
それでも、ただ目標額まで貯めて使うだけではなく、少しずつ資産そのものを育てていきたいと思っています。
アッパーマス層になりたいという目標も、まだ持っています。
ただ、数字だけを追いかけるのではなく、今の暮らしも大切にしながら、将来に残せるお金を育てていく。
貯めることに一生懸命だった私が、3年前に気づいたお金の本質です。
これからは、お金を使うことも、残すことも、どちらも大切にしていきたいと思います。








