資産形成を始めたころは、とにかくお金を増やしたいと思っていました。
貯金が増えるとうれしい。
投資で資産が増えるとうれしい。
「次は1,000万円」「その次は2,000万円」と、目標を決めながら少しずつ資産を積み上げてきました。
以前は、資産の金額そのものが大切でした。
ところが、2,000万円という金額が見えてきたころから、少しずつ考え方が変わってきました。
お金は、増やせばそれで終わりではない。
増えたお金を落ち着いて持てる自分になることも大切なのではないか。
そんなことを考えるようになりました。
資産2,000万円で「お金の器」を意識するようになった
資産が少ないころは、数十万円、数百万円の増減でも気になりました。
投資をしていれば、資産は毎日のように動きます。
増えればうれしい。
減れば不安になる。
そんな気持ちになるのは、自然なことだと思います。
でも、資産が積み上がってくると、一つのことに気づきました。
資産の金額が大きくなればなるほど、自分の感情まで大きく揺れていたら疲れてしまうということです。
そこで意識するようになったのが、「お金の器を広げる」ということでした。
お金の器というのは、たくさんのお金を使えるという意味ではありません。
増えたお金を冷静に受け止められること。
減ったときにも慌てずにいられること。
必要なときには、きちんと使えること。
そして、お金を持っていることを必要以上に人に見せないこと。
そんなことを含めて、自分の中では「お金の器」だと考えています。
資産の増減に、以前ほど動じなくなりました
投資をしている以上、資産が増えたり減ったりすることは避けられません。
以前は、その数字を見るたびに気持ちが動いていました。
今は、もちろん数字は確認します。
でも、以前ほど気にならなくなりました。
「今日はこれだけ減った」
「今日はこれだけ増えた」
と、一喜一憂することが少なくなっています。
これまで上がる相場も下がる相場も経験してきたことで、
「こういうこともある」
と思えるようになったからです。
リスクがなくなったわけではありません。
ただ、リスクに対して、そのときどきで対応すればいいと思えるようになりました。
これも、資産形成を続けてきたからこそ身についた感覚なのかもしれません。
資産を増やすことばかり考えていたころには、分からなかったことでした。
お金の器と一緒に「心の器」も広げていく
そして、もう一つ大切だと思うようになったのが、心の器です。
資産が増えても、人と比べてばかりいたら、いつまでも満足できません。
「あの人のほうがお金を持っている」
「もっと増やさなければ」
「まだ足りない」
そんなことばかり考えていたら、資産がいくら増えても安心できないと思います。
だから、感情の振れ幅をできるだけ小さくすることを意識しています。
うれしいときも、浮かれすぎない。
嫌なことがあっても、必要以上に引きずらない。
お金が増えても、急に生活を変えない。
人と比べない。
そんな小さなことの積み重ねです。
心の器が少しずつ広がってくると、お金との付き合い方も変わってきました。
「貯める」だけではなく、大切なことにはお金を使う
資産形成というと、「いかにお金を使わずに貯めるか」というイメージがあるかもしれません。
私自身も、最初はそうでした。
でも、資産が積み上がってくるにつれて、使うことも大切だと思うようになりました。
ただし、何でも使うわけではありません。
ここぞという大事なものには、きちんとお金を出す。
これは、自分の中で決めています。
たとえば、子どもの運転免許にかかる費用。
成人式の費用。
家族にとって大切な節目。
今しかできない経験。
そういうものには、「もったいないから」と必要以上に迷わないようにしています。
普段は節約する。
無駄なものには使わない。
でも、大切なところではしっかり使う。
そのメリハリが分かってきたことも、資産形成を続けてきた中での変化です。
プレゼントも「後悔しない方」を選ぶ
人にプレゼントをするときも、以前とは少し考え方が変わりました。
2つの商品で迷って、どちらにするか決めきれない。
そんなときは、私は高い方を選ぶと決めています。
もちろん、「高いものを贈るのが正解」という意味ではありません。
安い方を選んで、あとから「あっちにしておけばよかった」と後悔するくらいなら、最初から自分が納得できる方を選びたい。
せっかく誰かに贈るものなら、気持ちよく渡したいと思うからです。
お金を使うことへの不安が、以前より小さくなったのだと思います。
「減るから使わない」ではなく、
「大切なことだから使う」
という考え方ができるようになりました。
資産が増えると、人との距離感も変わってきました
お金の器や心の器を意識するようになって、人との付き合い方にも変化がありました。
以前は、嫌われないようにしたいと思うこともありました。
できるだけ人に合わせて、好かれるように振る舞おうとすることもありました。
でも、今は無理に人に好かれようとは思わなくなりました。
合わない人とは、少し距離を置いてもいい。
すべての人と仲良くする必要もない。
もし嫌われたとしても、
「それはそれ。相手がそう思うのなら、それは相手の気持ち」
と受け止められるようになりました。
人を選ぶというより、人との距離感が分かるようになったという感じです。
近くにいた方がいい人もいれば、少し離れていた方が心地よい人もいます。
それでいいのだと思います。
資産額は、むやみに人に話さない
資産が増えてくると、もう一つ気をつけるようになったことがあります。
それは、資産額を必要以上に人に話さないことです。
家族に今の資産額を伝えたら、動揺するのが目に浮かびます。
だから、話すべき時が来たら、そのときに話せばいいと思っています。
周りと資産額が違っていても、自分から話すつもりはありません。
以前は、「これだけ貯まりました」と言いたくなる気持ちが、まったくなかったわけではありません。
でも今は、お金のひけらかしは危険だと感じています。
お金を持っていることを知られることで、人間関係が変わることもあります。
自分自身の感覚まで変わってしまうかもしれません。
だから、静かに持っているくらいがちょうどいい。
必要なところで使って、自分の人生を少し豊かにしてくれれば、それで十分です。
宝くじに当たったら破綻する、という意味が分かるようになりました
以前は、「宝くじに当たった人が破産することがある」という話を聞いても、あまりピンときませんでした。
せっかく大きなお金を手に入れたのに、なぜなくしてしまうのだろうと思っていました。
でも、今なら少し分かります。
お金だけが突然大きくなっても、心の器がそのままだったら、そのお金を持ち続けることは難しいのかもしれません。
使う金額が大きくなり、生活が変わり、人間関係まで変わってしまう。
そして、それが当たり前になってしまえば、元に戻ることも難しくなります。
だからこそ、資産形成では、お金を増やすことと同時に、お金を持つ自分を育てていくことも大切なのだと思います。
「淡々と」という言葉がしっくりきます
最近の自分に一番しっくりくる言葉があります。
それが、「淡々と」です。
資産が増えても、淡々と。
減っても、淡々と。
必要なリスクは取り、起きたことには落ち着いて対応する。
大切なものには、きちんとお金を使う。
人と比べない。
ひけらかさない。
無理に人に好かれようとしない。
そして、自分にとって心地よい距離感で人と付き合う。
資産2,000万円という数字は、以前の私にとって大きな目標でした。
でも、そこに近づいてみて感じたのは、数字そのものよりも、自分の中の変化でした。
お金の増減に動じにくくなったこと。
必要なところには、きちんとお金を使えるようになったこと。
人と比べなくなったこと。
無理に好かれようとしなくなったこと。
そして、お金を持っていることを、静かに受け止められるようになったこと。
お金の器を広げることは、心の器を広げることでもあるのかもしれません。
資産を増やすことだけが、資産形成ではありませんでした。
増えたお金を落ち着いて受け止め、そのお金を大切なものに使いながら、自分らしく暮らしていく。
それができるようになることも、資産形成の一つなのだと思います。
これからも、資産の数字だけを追いかけるのではなく、自分自身の器も少しずつ広げていきたいと思います。
焦らず、欲張りすぎず。
これからも、淡々と。
お金とも、人とも、自分自身とも、うまく付き合っていきたいと思っています。









