「子どもの一人暮らし宣言で涙|子離れと定年が同時に見えてきた50代夫婦の本音」

先日、子どもがこう言いました。

「就職したら一人暮らしをしようと思う。」

その言葉を聞いた瞬間、私はうれしい気持ちになりました。

親としては、自立してほしいとずっと願ってきたからです。

自分で働き、自分で生活し、自分の人生を歩いていく。

それは親として成功した姿なのかもしれません。

でも、その言葉を聞いたあと、なぜか胸の奥が少しだけ寂しくなりました。

うれしい。

だけど悲しい。

その二つの感情が同時に押し寄せてきたのです。


ついこの前まで子どもだったのに

子どもが小さかった頃は毎日が慌ただしく過ぎていきました。

保育園の送り迎え。

運動会。

習い事。

受験。

気づけば子ども中心の生活になっていました。

当時は毎日が長く感じていました。

早く手が離れてほしいと思う日もありました。

でも振り返ると本当にあっという間です。

ついこの前まで小さな手をつないで歩いていた気がするのに、今では就職や一人暮らしの話をしている。

時間の流れの速さに驚かされます。


教育費の終わりが見えてきた

子育てと同時に向き合ってきたのが教育費でした。

学費。

塾代。

定期代。

部活動。

進学費用。

親になってからずっと教育費のことを考えてきた気がします。

特に子どもが高校生や大学生になると、家計の中心は教育費になります。

「あと何年頑張ればいいのだろう」

そんなことを考えながら働いてきた親も多いと思います。

私もその一人です。

だから子どもの一人暮らし宣言を聞いた時、

「いよいよ教育費のゴールが近づいてきたんだな」

という安心感もありました。

長かった子育ての一区切りが見えてきたのです。


子離れと同時に定年も見えてくる

しかし最近気づいたことがあります。

子どもの自立が見えてくる年齢というのは、親自身の定年も見えてくる年齢だということです。

若い頃は定年なんて遠い未来の話でした。

50代になると急に現実味を帯びてきます。

会社人生の終わり。

再雇用。

年金。

老後資金。

健康の問題。

今まで考えなかったことを考えるようになります。

子どもが社会へ羽ばたこうとしている時期に、親は人生の後半戦を意識し始める。

これは何とも不思議な感覚です。

子どもは未来へ向かって進み始める。

親は残された時間を意識し始める。

同じタイミングで起こることが多いのです。


家族のステージが変わる

これまでは家族の中心に子どもがいました。

休日も子ども中心。

家計も子ども中心。

将来設計も子ども中心。

しかし子どもが独立すると、その形が少しずつ変わっていきます。

これからは夫婦の時間が増えていくでしょう。

教育費として使っていたお金を老後資金へ回す人もいるかもしれません。

旅行に行く人もいるでしょう。

趣味を始める人もいるでしょう。

人生の主役が再び自分たちに戻ってくる感覚です。

でも、それは同時に少し寂しいことでもあります。

家族の形が変わるからです。


当たり前だった日常は永遠ではない

朝の「行ってきます」。

夜の「ただいま」。

冷蔵庫の中の好きなおかず。

散らかった部屋。

洗濯物の山。

今は当たり前の日常です。

でも一人暮らしが始まれば、それらは少しずつ消えていきます。

今まで当たり前だと思っていた景色は、実は限られた時間の中にあったのだと気づかされます。

親になった頃はそんなこと想像もしませんでした。

子どもはいつまでも家にいるような気がしていたのです。


子育ての卒業式

私は最近、子どもの自立は親の卒業式でもあると思っています。

もちろん親子関係が終わるわけではありません。

むしろこれからの方が長いでしょう。

でも毎日世話をする役割は少しずつ終わります。

困った時だけ連絡が来るようになるかもしれません。

それでもいいのです。

それが成長だからです。

子どもが自分の力で生活できるようになる。

それは親として一番うれしいことです。


これからの人生を考える時期

子どもが家を出る。

教育費が終わる。

定年が近づく。

50代になると、これらが一度にやってくる家庭も少なくありません。

だから最近は思います。

子どもの将来だけではなく、自分自身の人生についても考えていい時期なのだと。

これから何をしたいのか。

どんな老後を送りたいのか。

どんな暮らしをしたいのか。

子育てに全力だった時間が終わり、新しい人生が始まろうとしているのかもしれません。


うれしいと寂しいは幸せの証拠

子どもが一人暮らしをすると聞いた日。

私はうれしかった。

そして少し悲しかった。

でも今は思います。

この寂しさは不幸ではありません。

それだけ長い時間を一緒に過ごしてきた証拠。

それだけ大切に育ててきた証拠。

だからこそ感じる感情なのだと思います。

いつか本当に家を出る日が来たら、きっと今より寂しくなるでしょう。

それでも笑顔で送り出したい。

「頑張っておいで。」

そう言える親でありたいと思います。

そして静かになった家の中で、子どもの成長を喜びながら、自分自身の新しい人生についても考えていこうと思っています。

子離れと定年。

一見すると寂しい言葉ですが、その先には新しい人生のスタートが待っているのかもしれません。

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