株主優待が欲しかった。
個別株を始めたきっかけは、そんな単純なものだった。
「この会社の株主優待、いいな」
「これがもらえたら嬉しいな」
最初は、そのくらいの気持ちだったと思う。
投資で大きく儲けようとか、企業分析をして本格的に株式投資をしようとか、そんなことを考えていたわけではない。
ところが、実際に始めようとすると、知らない言葉が次々に出てきた。
NISA。
特定口座。
一般口座。
単元株。
権利確定日。
権利付き最終日。
株主優待をもらいたいだけだったのに、思っていた以上に調べることがあった。
株主優待は「買えばすぐ届く」わけではなかった
最初に知ったのが、株主優待には「権利確定日」があるということ。
株を買ったら、すぐに優待が届くわけではない。
株主優待を受け取るためには、決められた権利確定日に株主としての条件を満たしている必要がある。
そして、そこには「権利付き最終日」というものもある。
最初は、
「なんで買うだけじゃダメなんだろう?」
と思った。
でも、調べていくうちに少しずつ仕組みが分かってきた。
株主優待というのは、ただ株を買うだけではなく、いつ持っているかという時間の条件もある。
ここで初めて、株式投資には「タイミング」があることを実感した。
「単元株」って何?
次に出てきたのが「単元株」。
株を買うということは、1株買えばいいのかと思っていた。
ところが、銘柄によっては通常100株を1単元として取引する。
株主優待も「100株以上保有」が条件になっているものが多い。
つまり、
「この優待が欲しい」
と思っても、何株買えばいいのかを確認しなければならない。
株価だけ見て、
「これなら買えそう」
と考えるのではなく、
「優待をもらうには何株必要なのか」
「そのためにはいくら必要なのか」
まで考える必要がある。
ここでもまた、一つ勉強になった。
NISAと特定口座、どっち?
そして、さらに悩んだのが口座だった。
NISAは聞いたことがある。
でも、特定口座とは何なのか。
一般口座とは何なのか。
税金はどうなるのか。
どこで株を買うのが自分に合っているのか。
最初は、知らない言葉が多すぎて、調べても調べても新しい言葉が出てくる感じだった。
でも、そこで一つずつ調べた。
「NISAとは何か」
「特定口座とは何か」
「自分の場合はどちらが使いやすいのか」
全部を完璧に理解してから始めようとすると、いつまでたっても始められない。
だから、必要なところから調べて、自分に必要な知識を少しずつ増やしていった。
投資は「買う」までに決めることが多い
個別株を始めてみて分かったのは、株を買うというのは、単純な作業ではなかったということ。
その前に、たくさんの決断がある。
どの証券会社を使うのか。
どの口座を使うのか。
NISAをどう使うのか。
どの会社の株を買うのか。
何株買うのか。
いくらまでなら投資できるのか。
株主優待を重視するのか。
配当金も見るのか。
長く持つのか。
必要になったら売るのか。
一つ一つは小さな選択でも、積み重なると結構な数になる。
しかも、誰かが全部決めてくれるわけではない。
最後は自分で決める。
ここが、投資の難しさでもあり、面白さでもあると思う。
だからこそ「自分に合う方法」を探した
投資について調べていると、いろいろな方法があることが分かってくる。
おすすめされている商品もある。
おすすめされている投資方法もある。
でも、全部を取り入れればいいわけではない。
自分の生活には合わないものもある。
自分には必要ないものもある。
逆に、
「これは自分に合っている」
と思えるものもある。
だから、私は少しずつ取捨選択していった。
人がおすすめしているからやるのではなく、
「自分には必要なのか?」
と考える。
分からなければ調べる。
調べて納得できたら取り入れる。
必要ないと思ったらやらない。
そうやって、自分の投資の形を少しずつ作っていった。
株主優待は「投資を始めるきっかけ」になった
今振り返ると、株主優待は私にとって、投資の入り口だった。
最初は、
「優待が欲しい」
という気持ちから始まった。
そこから、
株主優待について調べる。
権利確定日を知る。
単元株を知る。
証券口座について調べる。
NISAや特定口座について調べる。
株価を見るようになる。
企業について調べるようになる。
そして、自分のお金をどこに置くのかを考えるようになる。
最初は「優待が欲しい」という小さな興味だったものが、少しずつお金の勉強につながっていった。
「調べる時間」は、決して無駄ではなかった
始めるまでには、かなり時間がかかった。
分からない言葉を検索して、説明を読んで、また分からない言葉が出てきて、さらに調べる。
「もういいかな」と思うこともあった。
でも、そこでやめなかった。
自分が納得できるところまで調べた。
そして、自分に合うものと、合わないものを選んだ。
今になって思えば、この時間が大きかった。
株を買った金額だけが投資ではない。
その前に費やした時間や、身につけた知識も、私にとっては資産になっている。
知らなかったことを知る。
分からなかったことが分かる。
自分で判断できるようになる。
これは、その後の資産形成でもずっと役に立っている。
「自分で決める」ことが、資産形成につながっていった
資産形成というと、
「いくら投資したか」
「いくら増えたか」
という数字に目が行きやすい。
もちろん、それも大切。
でも、そこに至るまでには、たくさんの小さな決断がある。
何にお金を使うのか。
何を買わないのか。
どこに貯めるのか。
どこに投資するのか。
どの方法を選ぶのか。
そして、何をやめるのか。
私の場合、その練習になったのが個別株だった。
株主優待が欲しくて始めた。
でも、始めるためには調べる必要があった。
調べたら、選ばなければならなかった。
選んだら、自分で決めなければならなかった。
その繰り返しだった。
株主優待が届くまでの時間も楽しみになった
そして、実際に株主優待が届いたときは、やっぱり嬉しかった。
「本当に届いた」
最初はそんな感じだったと思う。
株を買ったときから、優待が届くまでには時間がある。
その間は、目に見えるものが何か増えるわけでもない。
でも、自分が調べて、自分で選んで、自分のお金で買った株から優待が届く。
その経験は、思っていた以上に嬉しかった。
そして、次はどんな優待にしようかと考えるようになった。
そうやって、少しずつ個別株との付き合いが始まった。
「株主優待が欲しい」から始まってよかった
もし最初から、
「資産形成のために個別株を勉強しよう」
と思っていたら、もっと難しく感じていたかもしれない。
でも、
「この株主優待が欲しい」
という小さなきっかけがあったから、調べることができた。
分からないことがあっても、
「この優待をもらうにはどうしたらいいんだろう?」
という具体的な目的があった。
だから、一つずつ調べることができた。
そして、調べていくうちに、投資そのものへの興味が広がっていった。
今思えば、あの小さな「欲しい」が、私のお金との付き合い方を変えるきっかけになったのだと思う。
投資に正解があるのではなく、自分に合う方法を探す
投資を始めるとき、
「正しい方法を選ばなければ」
と思ってしまう。
もちろん、基本的な知識を身につけることは大切。
でも、最終的には、自分の生活や考え方に合っているかどうかも大切だと思う。
私は株主優待から個別株を始めた。
その中で、NISAや特定口座について調べた。
権利確定日や単元株についても覚えた。
そして、いろいろな選択肢の中から、自分に合うものを選んできた。
全部をやる必要はなかった。
全部を知る必要もなかった。
必要なことを調べて、必要なものを選ぶ。
それを自分が納得できるまでやる。
それだけでも、投資は少しずつ自分のものになっていった。
株主優待から始まった私の個別株投資。
振り返ってみれば、優待そのもの以上に大きかったのは、
「分からないことを調べて、自分で選び、自分で決める」
という経験だった。
最初は、株主優待が欲しかっただけ。
でも、その小さなきっかけから、私は少しずつお金について考えるようになった。
そして今も、分からないことがあれば調べる。
自分に合うものを選ぶ。
必要のないものは手放す。
資産形成は、結局こういう小さな選択の積み重ねなのかもしれない。
あのとき、
「株主優待、いいな」
と思ったこと。
そこから始まった私の個別株投資は、思っていた以上に長い付き合いになっている。

